vol.2 海外進学先大学の調べ方
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vol.2 海外進学先大学の調べ方

海外に進学しようと思ったら、進学先の大学を探すことになります。探すといっても、海外には本当にたくさんの大学があり、何から始めていいのかわからず戸惑う方もいるのではないでしょうか。

今回は、私がどのようにベルギーのゲント大学を進学先に決めたのか、シェアしていこうと思います。


1. 条件を決める

調べる前に、条件を考えます。私の場合、海外進学を考え始めた当初は、「絶対にこの国・大学に行きたい」というものはありませんでした。なので、留学先での生活や学びをイメージして、「自分は海外進学に何を期待しているか」にトコトン向き合いました。その結果出てきた条件の項目が以下です。(  )で私のケースを短く書きました。

  1. 学費(授業料年間○○円程度)
  2. 専門分野(農村開発・地域開発・計量経済学)
  3. 使用言語(英語)
  4. 期間(2年)
  5. インターンの有無(単位認定されるインターンシップが開講されている)
  6. 国際性(日本人がほとんどいない)

私が設けた条件はこの6つで、特に学費と期間はシビアな選択が必要でした。

学費については、留学先での学費(生活費、授業料、保険料、移動費など含めて)を現実的に考えると、相当お金がかかるなと気がつきます。給付型奨学金への出願を検討はするものの、もちろん100%合格する保証はどこにもありません。そこで、奨学金をもらえなかったと仮定して、貯金や両親と相談し、現実的な額を決めました

期間については、ライフプランと相談です。長期間海外で生活しなければ得られないものがあるだろうという期待と同時に、いつまでも大学生をしているわけにはいかないという焦りもありました。『アカデミアを離れてみたら』という書籍の手を借りて、「わざわざ修士課程まで進む理由」や「博士課程まで進むかどうか」等も検討しつつ、学業に費やす期間を決めました。

ここで挙げた条件以外にも、国や大学の世界ランキングなど、条件になり得ることはたくさんあると思います。

ここでシェアしたいことは、条件自体ではなく、「自分の期待を自分で正確に知ることの重要性です。この作業の質が高ければ、留学後に「思っていたものと違う」となることを防げると思います。

2. 比較サイトで候補を出す

私が使用したのはstudyportalsで、世界中のプログラムを比較するサイトです。

学費や期間等のプログラム概要だけでなく、入学要件などの詳細も記載されているものが多いため、素早く調べられて便利です。一つ国を限定してその国で開催されているプログラムを探すこともできますし、専門分野を一つ決めて世界中のプログラムを比較することもできます。

いろいろな検索の仕方があるので、設けた条件がそれほど具体的でなくても、ひとまず検索してみるといいかもしれません。というのは、検索ワードにどんぴしゃなものばかりでなく、少しずれたものも検索結果に含まれており、自分の条件をブラッシュアップする機会を作れるからです。

実際、私は「条件付け」と「プログラム検索」を行ったり来たりして、条件を具体化していきました。

3. ひとつひとつ大学を確認する

候補のプログラムを2, 3個に絞ったら、次は大学のホームページに飛び詳細を確認していきます。

studyportalは便利ですが、そのプログラムでどのような授業が開講されているのか、どのような教授がいるのか、等の詳細は書かれていません。なので、本当に自分の期待通りのプログラムなのか、実際に大学のホームページを訪れて確認するのをお勧めします。

私の場合、進学先のゲント大学IMRDは、studyportalで開催国がベルギーと記載されていました。ところが、大学のホームページを見ると、IMRDは欧州のやや特殊なプログラム(Erasmus Mundusが正式名称)で、ベルギーで勉強するのは2年のうち半年で、残りの期間はイタリアとスロバキアで勉強することがわかりました。

私は「スロバキアかぁ…全然接点ないけど、国際的でまあいいじゃん」と結果的にポジティブに受け入れられたものの、それはstudyportalでプログラム情報を最初に見たときには想像すらもしていなかったことです。こうした「予想外」があるかもしれないので、詳細の確認は必須だと思います。


さて、今回は、進学先大学を調べる上で私がポイントだなと思うことをまとめてみました。有益な情報が一つでもあれば、嬉しいです。

候補の大学が多すぎて、調べる作業が苦痛に感じることもあるかもしれませんが、その作業が留学生活の質を左右すると言っても過言ではありません。みなさんが、理想の大学・プログラムに出会えることを願っています。

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