海外進学
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vol.6 海外院合格のための準備•受験スケジュール

私は学部に入学した当初、短期もしくは長期の海外留学を経験してみたいという思いはあったものの、海外大学院進学という進路は頭に一切ありませんでした。しかし、あることがきっかけで海外に進学する覚悟が決まり、最終的に Erasmus Mundus IMRD というプログラムに参加することができました。 今回のテーマは、海外大学院に合格するために必要な準備・スケジュールです。海外進学を思い立ったところから合格通知が来るまで、準備の過程、受験スケジュール等々をシェアできればと思います。 1. 海外進学の思い立ち 海外進学を思い立つきっかけになったのは、大学2年次の夏休み、8月に参加した2週間ほどの語学研修でした。第二外国語としてスペイン語を履修していて、たまたま授業で研修の宣伝があり、入学当初からどこかのタイミングで海外に行ってみたいと思っていたこともあり、参加を決めました。 研修自体とても価値あるものでしたが、ここで強調したいのは参加後の私の気持ちの変化です。研修参加前は、海外で生活したり日本語以外の言語でコミュニケーションを取ることがどういうことなのか、具体的な想像が全くできず、とりあえず海外に行ってみたいという感じでした。 ただ、参加後は、2週間という短い期間ではあるものの、長期間生活したらここが難しくてここが楽しんだろうな、現地の言葉をもっと話せたらコミュニケーションの幅が広がるんだろうな、言葉の壁がなくなれば異なる文化や価値観をもっと深いレベルで理解できるんだろうな、というふうに具体的に想像できるようになりました。そして、「海外で働いてみたい」という次の目標が生まれ、海外進学を本気で考えるようになりました。 2. 思い立ちから合格までのスケジュール 私の場合、学部に関しては2018年4月入学・2022年3月卒業で、2022年9月に海外大学院入学を目指す、という流れでした。以下、大まかな準備・受験のスケジュールです。 2019年9月~2020年2月は、なぜ海外進学が必要なのかをじっくり考え、そのために何を準備する必要があるのかを確認する期間でした。一般的に海外大学院の受験システムはどのような塩梅か(テストはあるのか?)、受験において何を準備する必要があるのか、必要な語学力はどれほどでそこに達するまでにどれくらいかかるのか、今までの課外活動をどう出願に結びつけ、これからどんな課外活動をしていくのか、等々でしょうか。 2020年3月~2021年7月は、本来の学部の学業に専念しつつ、卒業後の研究分野や進学先大学を絞り込む期間でした。海外大学院進学では GPA が重視されるため、日ごろの授業の成績も大切になってきます。進学先大学が決まると、必要書類や受験日程も自ずと決まってきて、受験スケジュールを具体的に立てられるようになると思います。こうしたことを考えつつ、英語の勉強を進めるという塩梅でした。当時はコロナ真っ只中でしたので、オンライン留学等を活用していました。 2021年8月~2021年11月は、出願書類の作成です。この時期は学士論文の執筆が始まる時期で、大学院出願と学士論文の執筆を同時並行できる時間管理が大切です。教授からの推薦状等、自分の力だけではどうにもならないものもありますので、できるだけ早めに取り掛かるに越したことはありません。 2021年12月~2022年6月は、実際に出願する段階でした。以下、志望大学、出願日、合否通知が来た日をまとめています。 海外大学院は合否通知の日時を明確に定めていない場合が多く、出願から2週間など、曖昧なことがほとんどです。Ghent University が第一志望だったので、その合格通知がきた2022年3月3日で受験を止め、それ以降の二つの大学院は出願しませんでした。 3. その他の注意すべき点 GPAは大切 海外大学院の入試では試験がないことが多く、基本的に学部時代の学業成績はGPAで見られます。高いに越したことはありませんので、履修登録を自分の研究分野に寄せつつ、しっかり成績をとっていく必要があります。 私の場合、特に海外大学院進学を意識していなかったとき、つまり2年次8月まででGPAは2.8ほどでしたが、出願時まででできる限り引き上げることを意識して、最終的には平均3.5で出願することができました。 英語の勉強はコンスタントに継続 一般的に求められる英語力は、IELTSで言うと6.5です。遅くとも、卒論や出願書類の作成が本格化する前までにスコアをとってしまうこと目標にしていきましょう。また、英語で修士レベルの勉強をすることを見据えて、スコアをとった後も勉強し続けることが必要だと感じます。 全て不合格の可能性を考慮する いくら準備に時間を費やしたとは言え、出願したどの大学院からも合格をもらえない可能性はゼロにはなりません。どこからも合格が来なかった場合、どうやって将来の目標を達成するのか、Plan A ~ Plan E くらいまで用意しておく必要があると感じます。卒業間近まで進路が決まらず不安になることも考慮すると、alternatives を多く用意しておくことはメンタル的にもかなりプラスになると思います。 さて、今回は海外大学院合格までのスケジュールをまとめてみました。海外大学院合格を手繰り寄せる要素として、計画性、タイムマネジメント、そして粘り強さが重要かな、と思います。 個人的には、一番大変だったのは IELTS の勉強です。英語に触れることは好きですが、本格的に勉強を始めた当初は ILETS 6.5 という壁がとても高く、コロナ禍であったこともあり交換留学をするという選択肢もなく、とても苦労しました。英語学習のように長期間壁にぶつかり続けることを考えると、チャンレンジを楽しむ態度も大切になるのかな、とも思います。 もし進路として海外大学院進学を検討している方がいらっしゃいましたら、この記事が少しでも参考なれば幸いです。

vol.5 ベルギービザ、どうやって取るの?

長期留学に行くとなると、必ず必要なビザの申請。 ベルギーの大学に長期留学する日本人がどれほどいて、ベルギービザ申請の情報がどれほど需要があるのか、正直不明ですが、手続きのポイントをまとめていこうと思います。 無犯罪証明の取得、資金証明の方法等にも触れますので、ベルギー以外のビザを取る方も参考にしてみてください。 ※ 本稿の情報は、2022年6月現在のものです。 [重要] とりあえず大使館にメールする ビザ申請で最初に気になるのは、どの種類のビザが自分に該当するかですよね。 たとえば、ベルギービザで言うと、滞在期間によってCビザかDビザに分かれます。90日以内の滞在であればCビザ、90日以上の滞在であればDビザです。 そして、Dビザの中でも、滞在目的により提出する書類が異なります。仕事で行く場合はこれ、留学で高等教育機関に通う場合はこれ、留学でバレエスクールに通う場合はこれ、…といった塩梅です。 このように、条件が煩雑で、これを自分で確認してビザの種類を決めるのは面倒かつ不安です。 なので、間違いを防ぐためにも、ベルギー大使館に初めからメールを送りましょう。以下が含めるべき情報です。ちなみに、ベルギー大使館とのやりとりは英語です。 メールを送ると、2,3日程度で返信をくれて、取るべきビザの種類や揃えるべき書類を全て教えてくれます。それに従って手続きを進めるのが、楽だと思います。 もちろん、自分で大使館のホームページを訪れ、詳細を確認することもできます。 Dビザ(留学目的)では、どんな書類が必要? 私も実際、最初は訳がわからなかったので、とりあえずメールをしました。 という内容でメールをしたところ、Dビザ, Studies, Higher Education の部門で申請してほしいとのことで、提出書類などが掲載されているURLを送ってもらえました。 この先は、Dビザ, Studies, Higher Education のベルギービザ申請の詳細をまとめています。必要な書類の揃え方と、揃える時の注意点が内容の中心です。 私と留学の条件が異なる方でも、重複する書類がいくつかあると思いますので、確認しやすいようにリストでまとめておきます。必要な書類、以下です。 1つずつ見ていきます。 1. ビザ申請フォーム 指定の情報をウェブ上で打ち込み、それをプリントアウトします。 入力サイトには、ベルギー大使館のホームページからアクセスできます。 2. パスポート パスポートの有効期限に条件があり、「ビザの有効期限+3ヶ月」が最低限必要です。 例えば、2年間有効なビザを申請する場合、パスポートの有効期限は2年と3ヶ月以上である必要があります。 3. 顔写真 直近6ヶ月以内に撮影したものに限ります。 また、写真の大きさや写真に占める顔の割合は、ICAO基準に従う必要があります。何のこっちゃですが、ICAO基準はベルギー大使館のホームページからすぐに確認できますので、条件をメモして写真屋さんにいきましょう。 プリントアウトした申請書に写真を貼るので、写真データだけのオーダーにしないように注意です。 4. 犯罪経歴証明書(取得 & アポスティーユ) 18歳以上の方は、無犯罪証明書を取得する必要があります。また、ビザ申請日から6ヶ月以内に取得したものでなければいけません。さらに、取得するだけでなく、取得した犯罪経歴証明に「アポスティーユ」という手続きが必要です。 申請手順がやや複雑ですので、番号を振り整理してみました。 4-1. ベルギー大使館から ‘a request letter’ を発行してもらう 犯罪経歴証明書の申請先は警察署ですが、いきなり行っても発行してくれません。事前にベルギー大使館に行き、’a request letter’ をベルギー大使館から受け取る必要があります。 ‘a request letter’ の申請については、A4サイズの紙に (1) フルネーム, (2) 生年月日, (3) 国籍, (4) 住所、を記載した申請用紙が必要です。指定のフォーマットはないので、ワード等で適当に作成してプリントアウトすれば大丈夫です。 指定の書類(パスポート等も必要)を持ってベルギー大使館に行くと、10分ほどで ‘a request letter’ を発行してくれます。ただ、申請時間が平日 9:30am ~ 12:00 noon なので、注意しましょう。 4-2. 都道府県が指定する警察署で申請する ベルギー大使館で ‘a request letter’ をもらったら、都道府県指定の警察署に足を運び、犯罪経歴証明書の申請をしましょう。「犯罪経歴証明書 〇〇県」等でググれば、持ち物や申請場所がすぐに出てきます。 4-3. 警察署で受取を済ませる 申請してから1週間ほどで、受取りが可能になります。郵送受取はできないので、もう一度警察署に行くことになります…。どうしても都合がつかない場合は、代理人が受け取ることも可能です。 4-4. 外務省にアポスティーユ申請をする ベルギービザの申請では、犯罪経歴証明書を取得するだけでは不十分で、その書類に外務省から「アポスティーユ」という押印をもらう必要があります。外務省ホームページから、アポスティーユ申請書をダウンロードし、必要事項を記入します。そして、(1) 申請書、(2) 取得した犯罪経歴証明書、(3) 返信用封筒、の3つを同封して、外務省に郵送することになります。 4-5. 外務省から原本が返送される 郵送してから返送されるまで、まあまあ時間がかかった記憶があります。2週間はかからない程度でしょうか。 余裕を持って手続きを進めることをお勧めします。犯罪経歴証明書の申請から受取まで1週間かかり、さらにアポスティーユ申請にかかる1,2週間があるので、2,3日で終わる書類ではありません。 5. 健康診断の結果 どの病院で健康診断を受けるかによって、受けた後の手続きが変わります。 ベルギー大使館が指定する医師にかかり、健康診断を受けた場合は、受けた後に特別な手続きは必要ありません。しかし、お住まいの地域の任意の病院で健康診断を受けた場合は、その結果に「アポスティーユ申請」が必要です。 私は、ベルギー大使館指定の、東京都麹町にある「山岡クリニック」さんにお願いしました。 理由の1つは、アポスティーユ申請が面倒ということです。もう1つは、ベルギー大使館ホームページから指定の用紙をダウンロードして印刷し、医師に記入をお願いすることを考えると、「地元の病院に指定のフォーマットを持ち込んだとして、果たして事がスムーズに運ぶだろうか、こちらから説明するにしてもよくわからんし…」と不安になり、指定の病院に行くことにしました。 6. 合格通知書 ベルギーの留学先大学から発行される、合格や入学が証明できる書類です。 オリジナルの合格通知書の提出を求められますが、大学から書類がPDFでメールされてくる場合、合格通知書をプリントアウトすることになってしまいます。この場合は、日本のベルギー大使館宛にPDFファイルをメールしてもらうように、現地大学にお願いする必要があります。ちなみに、送付先アドレスは、tokyo.visa@diplobel.fed.beです。 私の場合、この必要性を知らずにベルギー大使館に行き、プリントアウトしたものをオリジナルとして提出したところ、現地大学に上記のようにお願いして欲しいと大使館の方から言われました。 …

vol.4 海外大学院、志望理由書の書き方

海外大学院に出願する際、避けて通れないことのひとつが「志望理由書を書くこと」です。海外の多くの大学では、日本の入試のような試験がないため、志望理由書が合否を左右すると言っても、過言ではありません。 今回は、そんな志望理由書の書き方について、まとめてみたいと思います。 1. 作成の手順 はじめに、大まかな作成の手順を列挙してみます。 ひとつずつ見ていきましょう。 1-1. 書くべき情報のリストを作り、内容を整理する 文章を書き始める前に、内容を整理することが多いと思いますが、もうひとつ踏み込んで、「整理すべきなのはどんな情報か」を抽象度が高いレベルで検討しましょう。書きたい内容がたくさん浮かんでいたとしても、端から全部書いていけばいいという訳ではありません。審査をする側は、「こんな情報を書いてほしい」とある程度期待をしており、それを理解して情報を選ぶ必要があります。私が作ったリストを共有しますので、参考にしてみてください。 リストを作ったら、自分の過去の経験を振り返ったり、学術的な文献を読んだりして、項目ごとに具体的な内容を整理していきましょう。内容を考える際、海外大学院専門のウェブサイトを参考にした部分もありましたが、それ以上に、就活をしている友人からの言葉がとても参考になりました。 日本での就職と海外進学、進路の方向性は全く違いますが、誰かに「私はあなた方にとって価値のある存在です」ということをアピールする点においては、通ずるものがあると思います。積極的に相談してみましょう。普段から近くで自分を見てくれている存在って、本当に心強いです。 1-2. 文章の構成を決める 内容が整理できたら、文章の構成を考えましょう。大学から文字数等について指定がない場合、最初に文字数を決めておくといいと思います。私は、1000字程度で、A4サイズ2枚に収めることを目安にしました。具体的な構成は以下です。それぞれの項目にどんな内容が当てはまるかは、後述しています。 読みやすく、自分の熱意が相手に伝わるのであれば、どんな構成でもいいと思います。ただ、私の個人的な意見としては、研究テーマを最初にアピールするのがいいのかなと感じます。 審査をする側は、世界中から志望理由書が集まるため、一言一句丁寧に目を通す時間はないだろう、と思います。さらに、世界から優秀な人たちがわざわざ集まるわけですから、立派な将来の目標を持っている人は結構いるだろう、とも思います。こうしたことを考えると、志望理由書の冒頭は、自分ならではの研究テーマについて触れて、審査員に「この人は、我々の研究テーマともマッチしているし、日本から新しい視点を持ち込んでくれそうだな」と思ってもらうのが大事かな、と思います。 考えすぎでしょうか(笑) でも、拘るならとことん拘りましょう!私は、情報を提示する順番でさえも印象を変えると思います。 1-3. とりあえず一度書いてみる 文章の構成を決めたら、早速一度書いてみましょう。日本語にしてから英語に直すとなると、どこか英語らしくない文章になりがちなので、おすすめしません。整理した内容のメモを見ながら、最初から英語で挑みましょう。 ここでポイントなのは、ウェブや書籍で出てくる表現や例文は、どんどん真似していくことです。英語表現がわからず手が止まるというのは、時間が勿体ないです。ひとまず誰かの手を借りて自分を表現してみて、気になるようであれば、後で戻って修正しましょう。 1-4. ネイティブの先生や友人に添削をお願いする ひとまず書き終えたら、ネイティブチェックをお願いしましょう。文章の滑らかさや細かいニュアンスを客観的に確認するには、やはりネイティブの先生や友人から添削してもらう必要があります。 私も、ネイティブの友人にお願いしたところ、真っ赤で返ってきました。文法的には合っている、でもこの表現は強すぎる・弱すぎるという指摘が多かったように思います。例えば、ACTIVEな表現とニュートラルな表現があるようで、志望理由書のように自分を力強くアピールするときは、どんどんACTIVEな語彙を選択していったほうが良いとのことでした。奥が深いです。 添削のあとは、また文章の練り直しです。少なくとも1度は、書き直す作業をしましょう。 2. 文章構成(例) 次は、文章構成の例として、私がどんな構成で書いたのか、またどんなことに注意して書いたのか、詳細を見ていきます。先ほど、構成の全体像はお伝えしましたが、読みやすさを考えてもう一度書いておきます。 ひとつずつ見ていきましょう。 2-1. 研究テーマについて この段落の役割は、3つです。1つ目は、自分の関心がプログラムの関心とマッチしていることを示すこと。2つ目は、オリジナルな研究テーマを提示すること。3つ目は、研究に対する熱意を表現すること。具体的な内容は以下です。 研究テーマについては、学士時代に経験したこと(ボランティアや学士論文テーマなど)に触れながら、どのようなことに関心があり、どのようなことを入学後明らかにしたいのかを書きました。 「研究の社会的意義」は、プログラムのホームページや卒業生の卒業論文を踏まえて書きました。応募先のプログラムがどのようなことを実現しようとしているのか、それを正確に理解した上で、自分の言葉に落とし込みました。 2-2. 研究能力・人間性について この段落の役割は、2つです。1つ目は、自分の強みをPRすること。2つ目は、応募先プログラムに貢献する意思があることを示すこと。具体的な内容は以下です。 研究能力については、学士時代のゼミ活動や共同研究に触れ、データ分析やインタビュー調査をする能力があることをアピールしました。 人間性については、自分が協調性やリーダーシップを、発揮した場面を簡潔にまとめてアピールしました。 最後に、応募先プログラムをどのようにより良いものにできるのかまで言及しました。 2-3. 志望理由・入学後の活動について この段落の役割は、2つです。1つ目は、なぜこのプログラムでなければいけないのかを語り、熱意を伝えること。2つ目は、入学後の研究活動に関する具体的なイメージを伝えることで、プログラムに対する理解を示すこと。具体的な内容は以下です。 学習計画について、例えば、大学で開講されている授業を調べて、シラバスを軽く確認し、どのような授業をなぜ履修するのかに触れました。 また、2年間の修士課程で、どのように修士論文の準備を進め、どのように課外活動(ボランティアやインターン等)に取り組むつもりなのかも言及しました。 2-4. 将来の目標について この段落の役割は、1つです。それは、プログラムを通して身につける能力を活用して、どのように社会貢献していくのかを伝えること。具体的な内容は以下です。 プログラムの関心を踏まえながら、オリジナリティをアピールしましょう。プログラムで身につく能力が、どのように将来の目標達成を助けてくれるのか、読み手が理解しやすいように説明しましょう。 3. 例文集 志望理由書を実際に書くとき、使えそうな表現を紹介していきます。文章構成ごとに、詳細は省き、使い回しができそうな表現だけをピックアップしてみました。太字とイタリック表記でハイライトしたところは、私のケースですので、必要に応じて変更して、参考にしていただければと思います。 導入 To Whom It May Concern, I am privileged to apply for the XXX program, in which I am extremely interested. I am writing this letter to demonstrate my keen motivation and capability of contributing to your program. 研究テーマについて My research interest has two perspectives. The first perspective is to focus on what kind of social …

vol.3 海外大学院、出願で必要な書類

専門にしたい分野や行きたい大学が決まり、いざ出願に向けて準備を始めるとき、何から始めればいいのでしょうか。海外の大学院へ出願する場合、試験はありませんが、自分の関心や将来の目標を言語化し、さまざまな書類を作成する必要があります。自分で作成するものとは別に、大学の先生の協力が無ければ揃えることができない書類もあります。 今回は、具体的にどんな書類が必要なのかを整理しつつ、準備する上でのポイントをまとめてみたいと思います。 ※必要書類は様々で、国、大学、プログラムによって異なります。私は以下の4大学に出願するつもりで準備を進めたので、欧州とオーストラリアである程度共通するものを紹介します。 ざっと挙げると、この6つです。ひとつずつ見ていきましょう。 1. 卒業証明書 卒業大学が発行する卒業証明書です。 卒業見込書も認めてくれる大学がほとんどで、日本の学生にとってはこれが本当に助かります。というのは、欧州やオーストラリアでは、出願の締切は大体1~3月です。日本の大学で卒業は大抵3月末ですから、正式な卒業証明書が締切までに手に入らないということが起こります。ただ、卒業見込書であれば、1学期や2学期初めに手に入り、無事出願できることになります。その意味では、日本の教育システムに配慮があると感じます。 2. 成績証明書 卒業大学が発行する成績証明書で、単位や評価、GPA等が記載されているものです。試験がない分、専門的な知識があることを、履修した授業名やGPAで証明することになります。 また、出願先の大学によっては、特定の条件が設けられます。例えば、GPAが3.0以上、数学・統計学を履修、△△学に関連する授業を12単位、等々。なので、できる限り早く条件を確認して、日本の大学で計画的に履修する必要があります。 私の場合だと、University of Copenhagenから、科目と単位数の細かい指定がありました。ミクロ経済学で12単位、マクロ経済学で8単位…といった塩梅です。そして、出願時には、該当する授業のシラバスを英訳し、日本の単位をECTS(ヨーロッパの単位)に変換するといった作業もありました。 GPAは高いに越したことはないのですが、神経質になりすぎる必要はないと思います。私自身、4年生大学で、1年次から4年時までGPAの推移は、2.8→3.2→3.8→3.7 でした。最終的に3.4ほどでしたが、無事出願した大学全てから合格通知をもらうことができました。 3. 語学力証明 英語ならIELTSやTOEFL、スペイン語ならDELEなど、語学力を証明する試験のスコアです。 留学先での使用言語が英語の場合、注意したいのは英語試験の要件です。日本で定評のあるTOEICや英検を認める大学はほとんどなく、IELTSやTOEFLが一般的です。また、スコアの要件も重要です。例えば、IELTSでよくあったのは、「Overall 6.5 で、どの技能も6.0以上」でした。大学によって異なる可能性があるので、確認必須です。 高いスコアを取るまで長期戦になりますが、一度十分なスコアを取ってしまえば、どの大学の出願にも使えます。出願の締切が集中する1~3月は、他の書類の作成に追われ、語学を勉強する時間を設けるのが難しくなってきます。また、外国語で書類を作成するには高い語学力が必要です。出願が始まる前までに、ガッとやってしまいましょう。 4. 履歴書 職歴やアルバイト経験、研究成果、課外活動等を、見やすく記載します。指定のフォーマットはないので、入れるべき情報を自分で決め、レイアウトも自分で決めることになります。 「見やすく」というのが案外深くて、私は一度履歴書を英語で書いてネイティブの友達に見てもらったのですが、そこで「ちょっと見づらい」とコメントをもらいました。自分の中では、Wordでデフォルトになっているフォントで書いて、強調したいところは文字を太くして、フォントサイズを大きくして…「見易さは大丈夫かな」と思っていたので、驚きでした。 その友達が修正する様子を見ていると、フォントからこだわっていました。見出しはこのフォントで統一、文章はこのフォントで統一、といった感じです。すると一気に見やすくなり、日本の大学で書くレポートでは意識したことがなかったので、新しい発見でした。 もし英語で履歴書を書く必要がある人がいれば、少しでも力になれればと思うので、参考程度にフォーマットを共有です。ぜひお役立てください。 5. 志望理由書 自分の強みや専門分野を学びたい理由、研究に対する熱意、将来の目標等をまとめます。これもフォーマットに特に指定はなく、内容やレイアウトを自分で考えます。志望理由書は、他の応募者と自分を差別化し、審査員に自分のことをアピールするものですので、出願の山場だと思います。 私の場合、文字数についても指定がなかったので、1000字程度を目安にして、大体A4サイズ2枚でまとまるように作成しました。参考までに、私が盛り込んだ内容を挙げてみたいと思います。もし志望理由書の作成を考えているのであれば、内容のチェック項目として活用してみてください。9つの内容について、簡潔に熱く語ることができるでしょうか。 具体的にどのような内容になるのか、英語でこれをどうやってまとめるのか、等々、まだまだ掘り下げる部分があるので、詳細は別の記事で紹介しようと思います。 6. 推薦書 大学の指導教員の力を借りて、出願者の人柄や能力について書いてもらうものです。 多忙な大学の指導教員にお願いをするということは、相手の生活にリスペクトを示す態度が必要です。直前になって「推薦書を書いて欲しい」とお願いをしても、なかなか聞き入れてもらえないでしょう。少なくとも、1,2ヶ月前には伝えるようにしましょう。 また、推薦する立場を想像すると、出願者の中で「進学後何をしたいのか」が具体的に決まっていない状態では、推薦の仕様がありません。推薦書の依頼をする前に、ある程度、希望の専門分野やモチベーションについて、語れる必要があります。それをわかりやすくまとめた上で、ファイルを添付のもと、お願いをしましょう。 さて、今回は、海外大学院に出願する際に必要になる書類と、それを揃えるときのポイントを書いてみました。なかなかボリュームがありますよね…。自分の考えや希望を言語化するプロセスや、それをスッと伝わる表現でまとめるプロセスを考えると、1,2ヶ月で終わるものではありません。いつまでに何を考え、いつまでに何を仕上げるのか。計画性の有無が問われると思います。この記事を通して、海外大学院への出願を考えている人を少しでもお手伝いできれば、嬉しいです。

vol.2 海外進学先大学の調べ方

海外に進学しようと思ったら、進学先の大学を探すことになります。探すといっても、海外には本当にたくさんの大学があり、何から始めていいのかわからず戸惑う方もいるのではないでしょうか。 今回は、私がどのようにベルギーのゲント大学を進学先に決めたのか、シェアしていこうと思います。 1. 条件を決める 調べる前に、条件を考えます。私の場合、海外進学を考え始めた当初は、「絶対にこの国・大学に行きたい」というものはありませんでした。なので、留学先での生活や学びをイメージして、「自分は海外進学に何を期待しているか」にトコトン向き合いました。その結果出てきた条件の項目が以下です。(  )で私のケースを短く書きました。 私が設けた条件はこの6つで、特に学費と期間はシビアな選択が必要でした。 学費については、留学先での学費(生活費、授業料、保険料、移動費など含めて)を現実的に考えると、相当お金がかかるなと気がつきます。給付型奨学金への出願を検討はするものの、もちろん100%合格する保証はどこにもありません。そこで、奨学金をもらえなかったと仮定して、貯金や両親と相談し、現実的な額を決めました。 期間については、ライフプランと相談です。長期間海外で生活しなければ得られないものがあるだろうという期待と同時に、いつまでも大学生をしているわけにはいかないという焦りもありました。『アカデミアを離れてみたら』という書籍の手を借りて、「わざわざ修士課程まで進む理由」や「博士課程まで進むかどうか」等も検討しつつ、学業に費やす期間を決めました。 ここで挙げた条件以外にも、国や大学の世界ランキングなど、条件になり得ることはたくさんあると思います。 ここでシェアしたいことは、条件自体ではなく、「自分の期待を自分で正確に知ること」の重要性です。この作業の質が高ければ、留学後に「思っていたものと違う」となることを防げると思います。 2. 比較サイトで候補を出す 私が使用したのはstudyportalsで、世界中のプログラムを比較するサイトです。 学費や期間等のプログラム概要だけでなく、入学要件などの詳細も記載されているものが多いため、素早く調べられて便利です。一つ国を限定してその国で開催されているプログラムを探すこともできますし、専門分野を一つ決めて世界中のプログラムを比較することもできます。 いろいろな検索の仕方があるので、設けた条件がそれほど具体的でなくても、ひとまず検索してみるといいかもしれません。というのは、検索ワードにどんぴしゃなものばかりでなく、少しずれたものも検索結果に含まれており、自分の条件をブラッシュアップする機会を作れるからです。 実際、私は「条件付け」と「プログラム検索」を行ったり来たりして、条件を具体化していきました。 3. ひとつひとつ大学を確認する 候補のプログラムを2, 3個に絞ったら、次は大学のホームページに飛び詳細を確認していきます。 studyportalは便利ですが、そのプログラムでどのような授業が開講されているのか、どのような教授がいるのか、等の詳細は書かれていません。なので、本当に自分の期待通りのプログラムなのか、実際に大学のホームページを訪れて確認するのをお勧めします。 私の場合、進学先のゲント大学、IMRDは、studyportalで開催国がベルギーと記載されていました。ところが、大学のホームページを見ると、IMRDは欧州のやや特殊なプログラム(Erasmus Mundusが正式名称)で、ベルギーで勉強するのは2年のうち半年で、残りの期間はイタリアとスロバキアで勉強することがわかりました。 私は「スロバキアかぁ…全然接点ないけど、国際的でまあいいじゃん」と結果的にポジティブに受け入れられたものの、それはstudyportalでプログラム情報を最初に見たときには想像すらもしていなかったことです。こうした「予想外」があるかもしれないので、詳細の確認は必須だと思います。 さて、今回は、進学先大学を調べる上で私がポイントだなと思うことをまとめてみました。有益な情報が一つでもあれば、嬉しいです。 候補の大学が多すぎて、調べる作業が苦痛に感じることもあるかもしれませんが、その作業が留学生活の質を左右すると言っても過言ではありません。みなさんが、理想の大学・プログラムに出会えることを願っています。

vol.1 IELTSスコアを5.0から7.0に!勉強法は?

交換留学や海外進学をする場合、語学力を証明しなければいけません。留学先での使用言語が英語の場合、よく登場する試験の1つがIELTS。 本記事では、IELTSスコアを5.0から7.0に引き上げた私の経験をシェアしていこうと思います。 コロナ禍で海外に行けない中、どのように日本国内で英語を勉強したかを中心にまとめています! (参考)4技能ごとのスコアの伸び・リスニング 5.0→7.0 ・リーディング 6.0→8.5 ・ライティング 5.5→6.5 ・スピーキング 4.5→6.0 1. 公式テキストで問題の特徴を知る 私が使用したのは、”The Official Cambridge Guide to IELTS, Student’s Book with answers“。テキスト前半では、各技能ごとに出題される問題の特徴と解き方のコツが英語で説明されます。 テキスト後半では、模擬テスト8回分がついていて、テキスト前半で書いてあることを踏まえて、コツを実践形式で練習できるようになっています。 私は勉強の当初、つまりスコアが5.0の時から、このテキストに手をつけました。始める前は、「英語で書かれたテキスト」で英語を勉強するというのは、とてもハードルが高いと感じました。でも、結果的に良い選択だったと思っています。 というのは、頭で英語を日本語に置き換えて理解することを、諦めざるを得なかったからです。想像してください、問題だけならまだしも、設問や解説も全部英語です。日本語に直すのが面倒になってきます…。 そして、思い切って、日本語を挟むのをやめる努力をしました。APPLEというスペルを見て、「りんご」という直訳ではなく「赤い果物の写真」を頭に浮かべる要領です。 注意点は、このテキスト一冊では7.0に到達できないことです。特に、IELTSに登場する語彙はレベルが高く、語彙は別のテキストで体系的に学ぶ必要があると感じます。文章で出てくる新出単語を片っ端から覚えていくのも1つ手だと思いますが、プロが分析して重要な単語をピックアップしてくれている単語帳があるなら、それを利用する方が効率が良いと私は思います。 2. 単語帳で語彙力をつける 私は『実践IELTS英単語3500』を使いました。 私が拘ったのは、単語帳の使い方。意識したのは、語彙の学習には「とにかく暗記をする」段階と「使えるようにする」段階があると考え、それぞれの段階に必要な作業を必要なだけ行うことです。具体的な作業は以下です。 (2-1) とにかく暗記をする 作業1:テキストを見ながら音源を聴き、発音記号通りの正確な発音を練習して覚える作業2:日本語を見て単語の意味を確認し、適当なノートに一度だけスペルする作業3:例文を音読し、単語の意味を再確認し、単語のニュアンスも合わせて確認する作業4:翌日新しい単語に進む前に、前日勉強した単語の音源を聴きながら、ノートに一度スペルする 作業1, 2, 3は、それぞれ意識するポイントが異なります。もし1日の勉強量を40単語と決めていたら、作業を変えながら同じ40単語を3回繰り返すということです。ここで大事なことは、1度目で完璧に覚えようとしないことだと思います。 例えば、完璧にスペルを覚えたいから、単語を書く回数を5回にしたとします。確かに記憶に残りやすくなるかもしれませんが、この作業にはリスクがあります。それは、3, 4日目あたりから5回も書くのが億劫になってしまって、1日40単語というノルマを継続できなくなる可能性があることです。1日の勉強量を100単語にした場合でも、同じことが言えると思います。 それならば、1周目は「定着やスピード」よりも「継続」を優先して、2周3周と繰り返すことで「定着」を補う方が、効率の良い学習だと思います。何れにせよ、自分が「面倒だな…」と感じない程度を理解することは、こうした暗記学習をする上で1つポイントではないでしょうか。 (2-2) 使えるようにする (2-1) の作業を2, 3周すると、英単語を見てパッと意味がわかるようになってくると思います。次は、単語をライティングで使えるようにする練習です。 作業1:テキストを見ずに、音源を聴きながら単語をスペルする作業2:テキストを見てスペルが正しいか確認し、間違えた単語に印をつけておく作業3:例文を見て、単語のコロケーションを含めて、一度スペルする作業4:翌日新しい単語に進む前に、前日スペルミスをしたものだけもう一度スペルする コロケーションというのは、よく起こる単語の結びつきです。 例えば、「resistance = 反抗」という知識からもう一歩踏み込んで、「a resistance activity」という塊を意識する、という塩梅です。 ちなみに、作業1はリスニングの練習にもなります。IELTSのリスニングでは、聞き取った単語を解答で正しくスペルする問題が多く出題されるからです。 さて、あえて作業の流れを細かく書いてみましたが、これはほんの一例です。他にも様々な良い方法があると思います。 ただ、強調したいのは、闇雲に暗記を進めると、4技能満遍なくスコアを上げられないことです。例えば、「単語を見て日本語訳が出てくる」という状態は、リーディングで一定の効果が期待できるかもしれませんが、リスニングやライティング、スピーキングまで繋がるかというと、そうではないと思います。 やはり、作業の仕方に工夫が必要です。 3. オンライン留学で、ネイティブの視点を反映する 私が利用したのは、The University of British Columbia が提供する “Global Citizenship through English (GCE)“。4週間のオンラインプログラムで、火曜〜金曜の朝 8:00〜10:15 に授業がありました。 オンライン留学は、現地に語学留学するよりも費用が抑えられることが最大のメリットだと思います。また、学生であれば、午前中は英語を本格的に勉強して、午後は遊んだりアルバイトをしたりと、質の高い英語学習を普段のライフスタイルに組み込めるというのも、オンライン留学の魅力です。 一方、オンライン留学にはデメリットもあって、留学先の文化を深く知りたい、異文化を理解する力をつけたい、という需要は十分に満たすことができないと思います。その場合、やはり現地で滞在するのが一番です。ただ、裏を返すと、IELTSで6.5や7.0を取ることが目標であるなら、オンライン留学だけでも達成することは十分可能だということです。 最後に1つ、「ネイティブの先生に教わる」というのは、IELTSで7.0を取るためには不可欠です。というのも、ネイティブの感覚がなければ気づけないミス(miner mistakesと呼ぶみたいです)があるからです。 私の例だと、「〜するつもりだ」と言いたいときに “will” を使っていたところ、ある時ネイティブの先生から「その文脈で “will” は強すぎるから、”I am planning to~” にした方がいい」というアドバイスをもらったことがありました。「むずぅ!」と思いつつも、ネイティブの先生に教わって良かったなと思った瞬間でした。 さて、IELTSのために国内でできる勉強を見てきましたが、参考になる情報や言葉はありましたでしょうか。1つでもあれば、私は嬉しいです。語学の試験勉強、最初はなかなかハードルが高く感じると思います。 この記事がそのハードルを乗り越えることを少しでもお手伝いできれば、幸いです。