IMRD 1学期 – 生活編
IMRD 1学期 – 生活編

IMRD 1学期 – 生活編

2022年9月から、私にとって初めての海外長期生活が始まりました。渡航前は、交通機関の使い方、食生活、人間関係等々、不安要素がたくさんありましたが、いざ始まってみるとあまり考える暇もなく、とにかく慣れるしかない!という感じでした。

1学期のベースはベルギーのゲント、いかにも観光地という街で、2022年9月13にちから2023年2月2日まで滞在しました。今回は、私が初めての海外長期生活で感じたことに触れながら、ゲント生活を紹介できればなと思います。

1. 生活の基本

出費

ベルギーの大学では留学生に対して Blocked Account というサービスを提供していて、事前に 12ヶ月×950€を大学の銀行口座に送金しておき、渡航後、月950€を現地で開設した口座で受け取るという塩梅です。なので、予算として月900€に収めたいな、という感じでした。

実際はというと、基本的には850~900€に抑えることができました。家計簿を見直すと、家賃481€、食費150€(自炊100€+学食50€)、遊び100~130€(カフェ、飲み、外食、映画、等々)、生活必需品30€、その他(洗濯等)という内訳に落ち着いています

ただ、旅行に行くとなると話は別です。例えば、12月の休暇シーズンでは、ヨーロッパ出身勢は実家に帰りますが、留学生は休暇を利用して旅行をする人が多い印象です。私の場合は、ベルギー国内旅行で60~100€、1泊もしくは2泊の国外旅行で130~180€、という出費になることが多く、旅行がある月は学食に行く回数を減らして自炊を頑張ったりしていました。

また、学習塾でのアルバイト経験を生かして、渡航してすぐに AID Net という日本のオンライン家庭教師サービスでアルバイトを始めました。Erasmus Mundus は基本的には半年ごとにベースの国を移動してしまうため、パソコンひとつあればできる仕事は私にとっては魅力的でした。旅行が入っていることを見越してシフトを増やして、お金の収支を整える努力をしました。

住まい

住まいは大学寮を選びました。生活するのに必要な家具類は全て備え付きで、バスルームも各部屋に1つありました。キッチンは同じフロアに住む10名ほどで共用でしたが、他の留学生とコミュニケーションを取る機会になり、キッチンは共用で良かったなと思います。ただ、洗濯機と乾燥機は少し面倒で、別の棟まで歩く必要があり、洗濯が4€、乾燥が1.5€でした。

スーパーとドラッグストアが歩いて5分のところにあり、キャンパスや中心街、中央駅までは自転車で10分ほど、という立地で、とても生活しやすい環境でした。バス停までも歩いて5分ほど、自転車の駐輪場も各棟にありました。

家賃は月481€で、ホステル等で長期滞在するのと比べれば断然大学寮の方が安いです。ただ、フェイスブックで賃貸を見つけた友達に聞いたところ、大学寮と賃貸の家賃はそれほど大きな差は無いようです

移動手段

ゲントの街中の移動は基本的に自転車でした。自転車のレンタルサービスがかなり充実していて、月20ユーロ程で1学期中レンタルすることができました。大学の寮からキャンパスまで2.5kmほど、City Centreまで2kmほど、という塩梅で、歩けなくはないけど毎日となると流石にQOLに支障が出るかな、というのが個人的な感覚で、レンタルしてよかったなと思います。駐輪場はそこらへんにいくらでも見当り、お金はかかりません。

トラムでの移動も可能で、2.5ユーロの Single Ticket を De Lijn というアプリやサイトで購入できます。他にも日本の交通機関のようにトラムの定期券割引があったりして、私は利用しませんでしたが、定期券を買っている友達もいました。

ベルギー国内で他の街に移動するとなると、基本的には電車で移動です。また、国を跨ぐ比較的短距離の移動(ゲント→パリ、ロンドン、アムステルダム、etc.)になると、Flixbus がとても便利でした。また、国を跨ぐ長距離の移動となると、Ryanair という航空会社がとてもリーズナブルです。

2. 留学先での出会い

人間関係は留学先での不安のひとつでしたが、今思うと、素敵な出会いのおかけで、人間関係に関する不安が一番最初になくなっていた気がします。留学先の出会いはこんな感じだよ、ということを伝えるために、細かく出会いのきっかけを書いてみようと思います

ゲントの中央駅

欧州留学初日、ブリュッセルの空港に着いて、ゲントの中央駅に電車で向かいました。そこでたまたま、でかいスーツケースを持った日本人らしき2人を見かけました。なんとなく話しかけてみると、成田から同じ飛行機に乗ってきたことや留学先が Ghent University で同じことがわかり、連絡先を交換してよく遊ぶ仲になりました。ベルギーに着いて最初にできた人間関係です。

Airbnb

ゲント到着日から大学寮にチェックインする日まで1週間ほどあったので、Airbnbの宿を利用しました。そして、同じような状況でその宿にたまたまシンガポール出身の学生が泊まっていて、お互い着いたばかりだし中心街を一緒に回ろう、とその子が誘ってくれました。

授業前ガイダンス

日本でもよくある、年度初めに大講堂で説明を受けるアレです。ガイダンスはベルギーに着いた翌日にあり、もはや何がなんだかわからないまま教室に行って座っていました。会場にたまたま隣にいた学生に話しかけてみると、中国出身の子で、「お互い何がなんだかわかんないよね」の空気で意気投合し、最低月一回は一緒に料理をする仲になりました。

IMRDのクラスメート

IMRDには毎年50人ほどが参加しますが、50人クラスが1つあるようなものです。必修科目は全員同じ時間で同じ教室で受講することになるため、クラスメートと毎日顔を追わせる環境です。そうなると、午前授業のあと一緒に学食に行ったり、授業外のグループワークで仲良くなったり等々、人間関係が自然と生まれていきました。

日本人コミュニティー

ゲントには「友の会」という日本人コミュニティーがあって、日本に関心がある現地の学生や日本人留学生が定期的に交流しています。渡航直後はこの存在を全く知らないでいましたが、ある日コミュニティーの集まりに参加する機会があり、そこから人間関係が広がっていきました。

銀行手続き

ベルギーの銀行口座を大学を通して開設してもらったところ、渡航後できる限り早く銀行に足を運んで説明を受けて欲しいという指示がありました。その目的で銀行に行ったところ、10人ほどのグループでまとめて説明を受ける塩梅でした。そこで、たまたま隣にいたインド出身の学生とキャンパスが同じことがわかり、銀行の説明の後一緒にカフェに行って、学期を通してよく話す仲になりました。

大学の寮

キャンパスや学年に関係なくいろいろな学生がいて、特にキッチンで仲が深まることが多かったように思います。料理をするタイミングがたまたま重なって世間話をしたり、感覚が合えばちょっとカフェで喋らないかと誘い合ったり、という塩梅でした。

3. 休日や長期休暇は旅行へ

欧州の視点で研究活動をできることや国際交流が日常であることに加えて、ベルギー国内や周辺国を比較的リーズナブルに旅行できることも、欧州留学の魅力の一つではないでしょうか。私の場合は、2学期目はスロバキアに引っ越すことが決まっていたので、ゲントから電車もしくはバスで行ける距離に限定して旅行をしました。

ベルギー

ベルギー国内は全て電車で簡単に行くことができました。Brussels, Dinant, Liege, Leuven には行きましたが、AntwerpやBrugge など、他にも行ってみたい場所が残っています。ゲントはオランダ語でBrusselsはフランス語という違いに最初は驚いたり、地域によってワッフルの生地が違うという噂を聞きつけ試してみたり、勉強が煮詰まってしまって自然豊かな Dinant に行ってリフレッシュしたり、楽しみ方は様々です。

フランス

訪れたのはパリ、ゲントからバスで5時間ほどしかかからず、片道10€前後で行くことができます。2泊3日をルワンダ人と中国人のクラスメートと過ごしましたが、日本人以外と宿泊ありの旅行をしたのはこれが初めてでした。主要な観光地は回ることができましたが、自分のお気に入りの場所を見つける時間はなかったので、もう一度行きたいなと思っています。

ドイツ

ドイツの西部はパリと同様、バスで数時間で行くことができます。10月ごろにケルンに、12月ごろにアーヘンに行きました。本場のビールやソーセージ、クリスマーケットを満喫することができ、クリスマスの盛り上がり方には圧倒されました。

オランダ

アムステルダムとZaanse Schans という風車で有名な町を訪れました。1月ごろ訪れたため、一面チューリップのようなオランダならではの景観を楽しむことはできませんでしたが、それでも花市場の盛り上がり方はさすがオランダだなという感じでした。ベルギー出身の友達がお勧めしてくれた、アムステルダムにあるインドネシア料理がかなり本格的でとてもよかったです。

4. 勉強:交流・旅行 = 7:3 くらい

素敵な出会いがたくさんあり、旅行がしやすい環境でもあることに加えて、現地では Ghent University は教育のレベルが高いことで有名で、勉強面もかなり充実させることができました。ゲントでの勉強以外の面を中心にお伝えしようという記事なので、勉強面の深掘りはここではしませんが、それなりの時間と労力を費やす必要がある、そして費やしたくなる教育環境でした


さて、今回はベルギー・ゲントでの私の生活を取り上げてみました。すべての日本人留学生が同じような留学生活を送っているわけは無いですが、出会いの場であったり、旅行に対して積極的であったり、ある程度の共通点はあるのではないでしょうか。

全く留学先の生活をイメージできず不安、もしくは困っているという方がもしいれば、この記事を参考にしていただければと思います。