#6. ある街が好きだなと感じるのは、どんなときですか?
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#6. ある街が好きだなと感じるのは、どんなときですか?

今回のテーマは、私たちが暮らしたり旅行をしたりする「街」についてです。皆さんは、今暮らしている街が好きですか?国内外問わず今まで訪れた街の中で、「この街好きだな」と感じるのはどんな街で、どんな瞬間ですか?

私は、長期の留学を始めるまで、「自分がある街に対してどんな感情を持っているのか」をあまり考えたことがありませんでしたが、留学が始まって3ヶ月半が経過した今、不思議とそれを考える機会が増えているように感じます。今回は、そんな私の「街」に対する気持ちをシェアしてみたいと思います。


大切な人たちがいる街が好き

私が所属する IMRD というプログラムでは、2年間で3カ国を移動することになっており、最初の留学先はベルギーのゲントという街です。ゲントでは、どこへ行っても基本的に英語が通じて、町の中心部には観光スポットが集中し、水路に沿ってヨーロッパ風なカフェが並んでいます。首都のブリュッセルまでは電車で約30分、片道6€ほどで、交通アクセスもバッチリです。

ゲントのこうした街並みや雰囲気、暮らしやすさだけを考えても、「私はゲントという街が好きだ」と胸を張って言えると思います。ただ、それ以上に「やっぱゲント好きだわ」と思わせてくれるものがあります。それは、ゲントに来なければ出会うことができなかった人たちです

これを意識する瞬間は、突然やってきました。留学が始まって1ヶ月半ほどが経った頃、ドイツのケルンというところに1泊2日で旅行に行きました。旅行はドイツで交換留学をしている友達たちと一緒で、久しぶりに再開したこともあり、旅行自体はかなり楽しかったです。

ただ、ケルンからゲントに帰るバスで1人になり、ふとしたときに「IMRDのみんなは今頃どうしているだろう…」とか、「ゲントで仲良くしてくれている日本人の友達たちはどんな週末を過ごしたのかな…」とか、ゲントにいる人たちのことが浮かびました。そこで、「うわあ、自分ゲント好きなんだな」という実感が初めて湧いたのを覚えています。

そして、ゲントに対して「ホーム感」を感じたことがきっかけで、自分に縁がある所沢(出身地)や多摩(中央大学多摩キャンパス)のことを、より強く意識するようになった気がしています。所沢や多摩、日本から応援の言葉をくれたり、電話を繋いでくれたりする友達の存在を考えると、「地元のあの居酒屋行きてえな」なんてことに連想が広がり、自分が過ごしてきた街や国に対して愛着を感じます

友達が生まれ育った街が好き

自分が日常生活を送る街ではなく、観光等で短期で訪れる街の場合はどうでしょうか。観光地ならではの特別な景観や雰囲気を感じたり、ロケーション抜群のカフェでランチを食べたり、お土産を選んだりするのは、かなり楽しいと私は感じます。

ただ、個人的には、訪れる観光地が「ずっと行きたかった街」というだけでは、心から特別なものが湧いてこない気がしています。ずっと訪れたかったということに加えて、その観光地が「自分の大切な人が生まれ育った街」である場合、どうでしょうか。私は、観光地を観光地として楽しむことに加えて、その人がどんなところでどんな風に暮らしてきたのかを垣間見れる気がして、その街が特別に感じます。

12月後半、クリスマス休暇を利用して、IMRDの仲間と2泊3日でパリに足を運びました。エッフェル塔やルーブル美術館、シャンリゼ通りなど、パリのアイコン的な場所を一通り周り、フランスらしい食事も楽しみ、かなり充実した3日間でした。

ただ、それ以上にここで強調したいことがあります。IMRDのとても仲良くしている友達の1人がフランスのパリ出身で、帰省の関係で一緒にパリを回ることはできませんでしたが、その友達の存在が「パリを訪れること」をより特別なことにしてくれた、ということです。

パリ郊外から中心地に行く通勤時間の電車が激混みだったり、ショッピングセンターで家族が買い物をしているのをみたり、PASMO的なカードにお金をチャージしたりしたことで、パリ生活の日常的な部分に触れることができた気がして、どこか嬉しい気持ちになったのを覚えています。

こうして言葉にしてみると、何も海外だけに当てはまることではなく、日本でも当てはまることな気がします。そうは言っても、日本の友達の出身地を旅行で訪れて「日本国内でも日常の様子が違うかもしれない」と想像したことは、わたしは一度もない気がします…(笑)海外留学して初めて湧いてきたこうした感性を日本で大切にしたら、日本が違って見えるのか。帰国が楽しみです。


さて、今回は、私が留学して「街」について感じたことを書いてみました。私の場合、人間関係がなければ、ある街に対して何か特別なことを感じることはない、と言えるのかもしれません。

皆さんは、今暮らしている街を一時的に離れるときや、どこか観光地を訪れるとき、どんな風に感じますか?

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